『イエローキャブから現れた猛獣。石岡さんに初めて会った日』 連載 石岡瑛子さんからの個人レッスン – 2

十五年以上も前の、あの日のこと。そこから書き始めようと思う。

当時、私は、ニューヨークの美大で勉強しながら、ソーホーの南端にあるデザインギャラリーのオーナー・海老原嘉子さんのところに頻繁に出入りしていた。NYに来た日本の著名デザイナーが必ず顔を出しに寄るという、デザイン界の生き字引のようなエネルギッシュな女性だ。

インターネットが流行しはじめたばかりの1996年頃、趣味で始めた美術館やデザイン系ショップを紹介するウェブサイトを見つけてくれて、「そのエネルギーをうちで使わない?」と声をかけられた。それ以来、彼女のデザイン財団を手伝って次から次へと有名な人に会ったり、日本のデザイン雑誌に書かせてもらったりと、大興奮の経験をさせてもらっていた。

石岡さんと初めて出会うことになるあの日は、刃物のデザインを競う、学生向け国際デザインコンペの審査会スタッフとして会場にいた。

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連載「石岡瑛子さんからの個人レッスン」〜 助手をやった若者の体験から-1

NHKのドキュメント番組『プロフェッショナル』に、アカデミー賞を受賞した石岡瑛子さんのマンハッタンの仕事場が映って、「あれっ?」と驚いた。

広大なセントラルパークを見下ろす、黒光りする尖った高層ビル。カーネギーホールの隣に立つ超高級マンションの70階という絶景。あの番組を観た人には、単に、見慣れたNYの光景だったでしょう。

なぜビックリしたか。

いまから15年ほど前のこと。あそこは、当時助手をしていた私が一度も入れてもらえなかった、謎の自宅兼仕事場だったからだ。そこに、テレビカメラが入っている・・・。それに、公の場に登場するときは、ふさふさした巨大な黒髪がトレードマークだった彼女は、なぜか、頭にスカーフをかぶっていた。

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Looking for “LifeAidKit” Beta Testers / ベータテストのボランティアさま募集

Please participate in this “better life” test!

I’m releasing the iPhone App “LifeAidKit” in August 2011 to Apple’s AppStore.

The LifeAidKit app will let you clearly see how much time is left of your life, as well as your parents’ and family members’ to make your life more fulfilling and meaningful. That is rather easy to say, but difficult to act upon. So, the app will also give you simple to do lists to set goals for each person. You can also contact people you care, directly from this app to call, send emails to say hi.

Prior to the official release, I’d like to send out a beta version of the app to get your opinions and find possible bugs. I haven’t decided the price of the app, but I’d like to guarantee a free copy for all beta testers. If you are interested, please let me know from the form below. The app will be sold worldwide, is in English. The beta version of the app will be delivered to you via email to install on your device. Thanks a lot!

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妄想から生まれたアプリに初めて触る 〜 最初の実機テスト版、インドから届く

正式発注から丸3週間になろうという昨夜、インドからテスト版アプリが送られてきた。

これが、自分のiPhoneにインストールしてチェックできる一番最初のバージョンだ。デザイン画にすぎなかったアプリに、文字通り指で触れる、感動の瞬間である。

初めて仕事を頼んだ相手なので、最初のラフ版の出来がどうかで、先行きがある程度想像できる。半分楽しみでもあり不安でもある複雑な心境だ。送られてきたのが夜遅かったこともあり、また、見るのが微妙に恐ろしかったりもして、翌朝にインストールすることにした。

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ヤシの木、貸します。

バリ島・ウブドゥは、田舎の山の中にあるが、外国人が波のように押し寄せる観光地。

でも、店が建ち並ぶ大通りをちょっと離れると、そこには昔ながらの田園風景が広がる。赤道直下の国であるがゆえに、1年に3回、米が収穫できるという豊かな大地だ。

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正式発注ダン。iPhoneアプリと言う名の「20万円」プチギャンブル

ついに「寿命アプリ」をインドに正式発注した。開発者募集から1週間ちょっとという、あっというまのプロジェクトスタートだ。

11社+1人のiPhoneアプリ開発先からのオファーから選ぶのは、悩ましい道のりだった。日本の会社とは比べものにならない超積極的な営業活動に振り回されながらも、ベストの1社を選んだ。

もろもろの条件が絡んでいるのは言うまでもないが、一番大きな要素となる、「金」の沙汰からご説明しよう。海外アウトソースの胆となる要素あるからして。

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iPhoneアプリと言えど、始まりは紙とボールペン

愛用しているのは、真っ白なコピー用紙と、パイロットのジェルボールペン。次々に出てくるアイデアを超高速で書き留めるには、このコンビが無敵だ。

iPhoneアプリでも、ウェブサイトでも、そして、グッドデザイン賞を頂いたパッケージでも、はじまりの始まりは黒ペンと白い紙から生まれる。頭の中にしか存在しないデザインが、初めて目に見える形になるこの瞬間が「アイデア・スケッチ」だ。

今回は、その一部をちょっとお見せします。

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インド、ロシア、ウクライナ、ルーマニア、フランス。11社と、パリの1人から入札

iPhoneアプリ開発の募集を載せてから、数日。あっという間に世界各地の11社とフリーランスの1人から応募があった。

こんな仕事人探しはは生まれて初めてだが、入札のメッセージや売り込みの仕方もいろいろなら、英語のレベルもバラバラ。定型の営業文をコピペしただけの会社があったと思えば、こちらのデザインをしっかり検討した上で意見まで述べて入札していたり、はっきりと差があっておもしろい。

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