南国の薄暗い小部屋に幽閉され、不覚にも、仕事がはかどってしまうお父さん。

マレーシアのコンドミニアムは、3LDKくらいの間取りですと、そのうち1つは謎の小部屋になっています。

これは住み込みのメイドさんのための部屋で、日本だったら物置部屋のような感じでしょうか。メイドさん仕様だとわかるのは、小さな専用トイレとシャワーもすぐ隣についている点。

いま借りている物件では、広さにすると5畳くらいでしょうか。玄関を入ってすぐのところにあって、日当たりも良くなく、窓からの景色はシービューならぬ、「エアコン室外機ビュー」。

短い滞在だと仕事をするのに一番困るのが、まずネット回線なのですが、次に仕事机です。本当に短いステイだと、カフェに行ったり、食事テーブルやカウチで代用しますが、今回は少し長めの2ヶ月ちょっとなので、近所の家具屋で安い机(約4,000円)と、オフィスチェア(2,500円)を調達。幅1mの小さい机なので、モニターとノートMacは、はみ出しています。

デザイン屋という職業柄、画面は大きめでないと仕事がはかどらないので、毛布でグルグル巻にして、スーツケースに突っ込んで持ってきました。東京でも常用しているのは、Dellの25インチモニターで、HDよりも一回り解像度が高い「2515H」。4万円ほどのお手頃プライスで、サイズも小さすぎず大きすぎず、バランスが良いので愛用しています。液晶モニターは、ガラスの板そのものなので、飛行機にチェックインするときはご注意を。

机と部屋、それからコンピュータの画面は、大きいにこしたことは無いのですが、小さいと余計なものは置けないので、逆に集中はしやすいと思いますね。小部屋というのもなんだか落ち着く気分。毎日30℃超えの南国ですが、エアコンもあっという間に効きます。

我が家では「お仕置き部屋」とも呼ばれる、この薄暗い小部屋にとじこもって、お父さんは今日も、気が向いたときに せっせとお仕事なわけですが、日本での生活と根本的に違うのは、仕事が終わったらそこは南の島なわけですから、すぐにプールにでも出かけてリラックス&充電できるというところでしょうか。仕事しながらリゾート滞在している感覚。

人間、充電しないとダメですね。休みをとらずに、ひたすら仕事をするなどというのは、充電しないでスマホを使おうとしているようなもんです。

 

四ツ谷の新仕事場と、お金をかけないインテリアのススメ。

迎賓館から直線距離で200mほど。昔ながらの静かな都会の住宅地に、仕事場を移しました。

JR四ツ谷駅から歩いて7分。学習院初等科の裏手で、かの、レストラン「オテルドミクニ」から歩いてすぐというブランド力ある場所なのですが、借りた物件はボロマンションです。お家賃は、相場よりも安く、47平米/12万円ぽっきり。

ただし、わたしが興味を持ったくらいですので、ネットで物件情報を見て、キラリと輝くものを感じました。不動産屋にコンタクトして、すぐに見学、ほぼ即決。

潜在的なポテンシャルを秘めている、ボロくて安い物件は大好物です。特に、四ツ谷〜曙橋近辺には、商売気の無いお年寄りの大家さんが所有するマンションが多く、穴場。これで二軒目になります。年配の大家さんだと、自営業でもあまり気にしないようで、審査が通りやすいのも重要です。

うちの大家さんは、四ツ谷界隈では有名な地元系スーパー「丸正」の社長さん。契約書を見て驚きました。うちの隣が、その社長様のお屋敷です。

住宅や家具は、高くてレベルの高いものよりも、安くてコストパフォーマンスが高いものを見つけるのが好きです。いずれ、また海外に引っ越すときに拠点をたたむことも視野に入れ、だれかに丸ごと差し上げても良いように、多くはIKEA・ニトリ・Amazonの激安品を利用しています。

選ぶ眼は必要ですが、頭を使って、安くても使えるものを組み合わせれば、見栄えはするもの。お金ももったいないですしね。家具よりも「照明」が、安上がりに雰囲気を出せる重要な要素です。

そもそも事務所はお金を稼ぐ場所なので、元が取れないお高い家具を買っても趣味の世界になってしまいます。プロのカメラマンが必ずしも最高峰の機材ではなく、必要十分な1つか2つ下の機種を選んだりすることがあるのと同様、仕事場にも無駄なお金はかけるべきではありません。経費をかければ、お客さんにチャージしないといけなくなります。

自宅も別に飾り付ける興味は無く、至って質素な生活スタイルです。仕事の方にクリエイティビティーを使いたいので、自宅で無駄な思考エネルギーは浪費したくないとでも言いますか。お客さんのビジネスや生活をかっこよくすることが仕事なのであって、自分の生活は職業柄必要な程度に見栄えがすれば良いと思っています。

クリエイティブ系の仕事人は、意外とシンプルな生活をしている人も多いのです。華やかなのは作るもの自体の方で、有名な方でも裏側は地味で質素な世界。かっこつけるのも、時間とお金がかかりますので。他のもっと肝心なことに使いたい。

木の家具作りの勉強をしていた頃や、NYで工業デザインを学んだときには「一生使えるもの」をデザインしろと教わったものです。ただ、引っ越しすることが多い現代人には、あまり長持ちする家具は、文字通りお荷物になることもあります。昔は、ひとつの場所に何十年と住み続けるのが普通だったので、重い家具や大量の本を持っていても気にならなかったものと思います。

マレーシアに引っ越すときに、持っていたものの9割を思い切って捨てました。

処分に数ヶ月も苦労しました。あれは、もう二度とやりたくないという気持ちと、物を捨てた後にものすごく精神的にすっきりして身軽になったので、いまは、どうしても必要なものしか買わないという方針です。

AppleのカスタムオーダーMacを少しでも安く買う方法

最近のMacは、メモリーやディスクを勝手に取り替えられないデザインのものが増えてきました。でも、標準仕様以外の、ハードディスクやメモリーを増設したMac(CTOモデル)が欲しいとなると、Appleからの産直販売を利用するしかありません。

当然のことながら、高くつきます。定価ですので。

少しでも割引がつくのは、小売り店の店頭で販売されている定番モデルのみです。

Appleのパソコンは、昔から小売り店での割引率が低く、公正取引委員会が調べているとかいないとかいうニュースがあったこともあります。ヨドバシカメラやBicカメラでも、現金購入でポイントは5%だけしかつかず、他の商品の10%還元に比べるとお得感に欠けると言わざるをえません。

ところが、業務用となると、他の選択肢あり。

Mac専門店の老舗「秋葉館」が、業務用途のユーザー向けに、カスタム仕様のMacの販売を始めています。

試しに、MacMiniの特別仕様版の見積りをお願いしたところ、およそ「5%」の割引価格となっていました。少しでも安く購入したいプロには助かります。

購入条件は、現金での先払いが可能であることと、法人または個人事業主であるということ、そして納期が最大で2週間かかります。事業目的でないと購入できないのは、おそらく、Appleとの契約のせいでしょう。正規の販売業者を少数に絞っているようですので。

個人事業主である証明を求められる雰囲気ではないので、個人の方も、阿部インターナショナルなりなんなり、それっぽい屋号をテキトーにきめておけば注文可能なのではないかという雰囲気です。

秋葉館は、昔は新品の標準モデルも割安で店頭販売していたのですが、いまは業務用の見積もり販売のみになりました。値引きをするのがAppleのお怒りを買ったものと想像。ここは中古の買い取りもやっていて、私は新しいモデルを買う度に、ここで古いMacを売り飛ばしています。Mac専門店だからか、中古に強いSofmapよりも買い取り価格が高く、Macは大きく値崩れしないので、比較的新しいものならば、そこそこの値段がつきます。

ウェブデザイナーのために産まれた『PhoneGap』 ド素人でもできるiOS & Androidアプリづくり

ウェブサイトを作れる人なら、ちょっと勉強すれば、iPhoneやiPadはもちろん、Androidのアプリも作れる。

そんなステキなもののお勉強、はじめました。

ウェブデザイナーとアプリ開発の橋渡し役

「PhoneGap」(フォンギャップ)は、その名のとおり、スマートフォン向けのアプリをつくるときに特有のギャップ=「溝」を埋める目的で作られたフレームワークです。

平たく言うと、ソフトを作るためのソフト。

ただいま準備中の阿部書店では、いきなり紙の本を大量に売り出す予算とネットワークは無いので、最初は小さめの電子ブックをドンスカ発売するつもりです。無料・有料を織り交ぜて。

そこで電子ブック程度の紙芝居的なアプリ制作には必要十分な、これを勉強してみることにしました。

PhoneGapは、ウェブデザインならできるあなたを、次のようにサポートしてくれます。

埋まるギャップ その1:ウェブデザイナーならアプリをつくれる

PhoneGapが埋めてくれる溝は2つあって、1つ目は「プログラミング能力」のギャップです。

ブラウザーだけで見るウェブサイトと違い、スマートフォンやMac・WindowsといったOS上で動く「ネイティブ」ソフトの開発には、それなりのプログラミング経験とお勉強が必要です。

実際にやってみるとわかりますが、ド素人やウェブデザイナーには、この壁は極めてぶ厚く、そして堅い。私はウェブ上で動くプログラミングなら少しは自信がありましたが、途中で挫折し、インドの開発会社に「Life Aid Kit」というアプリの制作を20万円で外注したりもしました。

PhoneGapのはじまりは、ずばり「ウェブデザイナー達でもアプリを簡単に作れる」ようにするという目標だったといいますから、まさに世のウェブ屋さんにぴったり。

HTML5、CSS3、JavaScript。この3つを使いこなせるプロならば、PhoneGapさまのお助けにより、正当派アプリ開発に比べ、極めて短い勉強時間でアプリを作れます。

PhoneGapが提供するスマートフォン機能(カメラ、加速度センサー、アドレス帳、ファイル保存、メディアなど)を使うためのコマンドを覚えればOK。

レベルの高い方なら、ブラウザーで動くテクノロジーを組み込むこともできるので、jQueryやjQTouchのような、JavaScriptフレームワークを使うこともできます。

ギャップ その2:iPhoneとAndroid版をいっぺんに。全7種のクロスプラットフォーム対応

二つ目のギャップは、異なるスマートフォンOS向けに同時に開発するという、絶壁。

iPhoneとAndroidではプログラムの書き方が全く違うので、自分で作ろうということになると、かなりの時間をかけて両方の勉強をしなくてはならなくなります。

プログラミング専門家でもない仕事人に、そんな時間があるはずはざぁない!

ソフト開発の世界は刻一刻と変化しているので、集中して勉強したらおしまい、というわけにもいきません。一度手を染めたら、終わり無き旅路となることをお覚悟くださいませ。

PhoneGapを使えば、基本的には1つアプリを作り、変更を少々ほどこす程度で、iPhone/iPad、Android、Windows Phone 7、BlackBerryといった主要なスマートフォンすべてのアプリに書き出すことができます。

スマートフォンに内蔵されているウェブブラウザーで表示できるサイトを、ひとつのアプリにして、さらにカメラや加速度センサー・ファイル保存・簡単なデータベースといった機能を使えるにようにしたものなので、違うOSでも同じ結果を得やすいというわけです。

当然のことながら、通常のウェブサイトと同じテクノロジーで作っているので、パソコンや、スマートフォンのブラウザー向けにも公開できます。

さらに、驚くべきことに、AppleやGoogleが提供するSDK(アプリ開発のための専用ソフト)を使わなくても、ネイティブアプリへの変換をすることが可能です。スマートフォン対応させたHTMLデータ/Webアプリを「PhoneGap Build」というクラウドサービスにぶちこむと、7種類のプラットフォーム向けに書き出しが可能です。

どの程度のアプリまでPhoneGapでいけるか?

すんません、まだ勉強中なので未知です。

とはいえ、JavaScriptでつくれて、スマートフォンの基本機能やデータベースを利用する程度なら、まず全部実現可能でしょう。

複雑な機能の部分だけは、難しい書き方のプログラムを書き足して補うということもできるのだろうと想像。派手なグラフィックや、OSの細かい機能へのアクセスが必要なアプリは、現時点では難しいと考えておいた方がよいでしょう。

私の用途では、電子書籍+αまでは自前でPhoneGapを使って作り、それ以上は、去年のようにインドに発注(または少し高いけれどもレベルが高い「東欧」)する手法で行く予定です。

期待できる将来性。Adobeが買収、ソースコードはアパッチ財団へ寄付

スマートフォン向けの開発環境は、流行り物なのでいろいろありますが。わたしが時間をかけてPhoneGapを勉強しても良いかなと思った理由のひとつは、2011年に開発元のNitbi社をAdobeが買収し、ソースコードをアパッチソフトウェア財団に寄付したこと。将来性とユーザー数の多さです。

Adobeは少し前まで、Flashで作ったソフトをアプリに変換する機能を推進していましたが、どうも、スマートフォン向けのFlashの雲行きが怪しくなってきたので、HTML5によるスマートフォンアプリ製作を推し進めようという空気がプンプン漂っています。

Adobe Dreamweaver CS5.5以降に、PhoneGapを使ってアプリ開発をする機能が内蔵されていて、CS6ではさらに便利になったそうです。ソフト内から動作チェックもでき、「PhoneGap Build」とも連携しているそうなので、あたかもSDKのようなスタイルで製作ができそう。本当に使えるのかどうかは、近く試してみるつもりです。

どこでお勉強するか? 現在のハードルは「英語」

PhoneGapは猛スピードで進化していて、アメリカの解説書でさえ出版が追いついていません。よって、ウェブデザインの能力以外に「英語を読めること」は必須条件です。解説本や、本家サイトを利用して。

日本で売られてる本の中には、HTML/JavaScript/CSSを使った独自手法のでアプリ開発の本はいろいろ出ていますが、PhoneGapを扱ったものはまともな本が皆無です。日本の専門書は、アメリカから1~2年に出る傾向にあるので、しばらく待てば、ちょろちょろ出てくるでしょう。

PhoneGapは、最新版Dreamweaverの売りの機能のひとつなので、近く、解説書の一部として登場する可能性もあります。

わたしの場合、技術系の本の多くはAmazonのKindle版を買っています。PhoneGapの勉強に使っているのは「Beginning PhoneGap」(Wrox刊)米国のAmazonでは選択肢も多いですが、前述のように内容が古いものも多く、できるだけ新しいものを買いましょう。

PhoneGapの公式サイトのマニュアルも覗いてみてください。