事業アイデアの実験パート2 『ABESCORE by 阿部書店』世界のすべてを格付けするサイト。これは化けるか?!

アイデアは形にしないと良いかどうかわからない!・・・をモットーに、アイデアを短期間でプロトタイプにしていく取り組みの、第二弾を公開しました。

第一弾の『OUTLET(仮称)』は、ちょっと商売気が出過ぎていることがわかったので要検討モードなのですが、作ったシステムが流用できそうだと気づき、書いたプログラムを流用して次の「ABESCORE」のプロトタイプを作りました。そのため製作時間は数日。1つ作ったものが、予期せず別のアイデアの実現につながるというのはよくあります。

現物はこちらをご覧ください→ ABESCORE by 阿部書店 >

例により、本来は内輪だけで見るべきものを公開しちゃいましたので、そのおつもりでご覧くださいませ。スコア評価はある程度精度が出ていますが、暫定的なものです。

なせスコアリング事業か?

もともと、いろんなものにアワードを授与するサイトをやれないものかと、数年前からあたためていました。アワードを出すには、ますスコアで評価するのが先かと思いまして、スコアリング・サイトからスタートしようと思ったわけです。アワードの話は過去のブログにて >

この世の中には難解なものが多く、人によって好みや価値感も様々な時代なので、何かを選ぶのは至難の業です。信頼性の高い客観的な情報を集めて、それらをもとに、われわれの独自の計算式でスコアを出すという試みです。

プロトタイプを見るとわかりますが、カメラのような身近なものから、政治や国のような評価が困難で、誰も実体が把握できていないものまでを扱いたいと思っています。完璧な評価方法を作るのは不可能なので、評価の精度だけでなく、創造的な切り口で点数をつけることも考えています。

知人と古典自己啓発本を評価してみる予定もあり、評価指標を検討中。ブログ記事や、形の無いものまで、可能性は無限にあると感じています。

わたしとしては、ありとあらゆるものをスコアリングしてみたい、そんな夢があります。

「日本人が移住しやすい国」で試算スコアリング

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試しに「日本人が移住しやすい国」というランキングを作ってみました。生活物価から政治の安定度まで、10の評価項目をABC評価。各項目に5点を配点し、全項目をプログラムで合計。そのままだと、40点満点なので、100点スケールに自動変換して総合点を表示しています。

サイトのプログラミングとデザインは私が担当、嫁がリサーチをやってくれました。ABC評価の元は、信頼できる生データなどをネットで探したものをベースにしてます。

近い将来、単なる合計計算ではなくて、特定の評価項目に重きをおいたフォーミュラにしたり、読者の投票も加点したりといった、複雑な計算を導入したいと思っています。

こうやって形にして、いまのシステムの問題が見えたので、サイトの設計をしなおし、プログラムを全面的に書き直す予定です。Wordpress、Advanced Custom Fieldプラグイン、PHPによるカスタムコーディングで作っています。

わたしはいまマレーシアに住んでいますが、こうやって具体的な数字にしてみると、各国を調べるきっかけるとしては「あり」だと思いました。数字化するという試みの感触は非常に良い。知人たちの反応も非常に良好。

悪名高きワイン評論家の100点評価

インスピレーション源のひとつは、ワイン評論家として有名なロバート・パーカー氏の「パーカーポイント」。ご存じの方も多いでしょう。

味の評価は特に難しいもののひとつですが、彼が100点満点のスケールであらゆるワインを評価し始め、世界中のワイナリーが彼の好みに合ったワインを作るまでになってしまったという、恐ろしい影響力のスコアリングシステムです。高得点を取ると、値段が高騰したり、瞬時に売り切れるとのこと。

私はワインの専門家ではないので、パーカー氏の舌の性能に関する議論はここではしませんが、わかりにくいものを数字で見えるようにしたこと、ワインの世界をひっくりかえしてしまう程の影響力も持つに至ったことは、すごいことだと思っています。モノゴトをひっくり返す人は避けて通れない、激しい非難も浴びているようですが・・・。詳しくは「The Emperor of Wine」という伝記書に書かれていますので、興味の有る方はぜひ。知的エンタテイメントして非常に面白い本です。

「アベスコア」というネーミング

名前はシンプルに「アベスコア」としました。自分の名前をつけるのもどうかと思ったのですが、こざかしいベンチャーのようなネーミングはキモイですし、やるならば自分が看板になることは間違い無いので、入れてしまいました。結婚して阿部コンビになったので、アベと言っても2人のことになりましたしね。夫婦揃ってリサーチが大好きなので、天職かもしれない。一緒にできる事業をやろうという希望もあり。

英語のスペルが「ABE」なので、「ABC」評価と字面が似ているのも、ユーモラスでしょ?

事業アイデアの実験パート1『OUTLET by 阿部書店』(仮称)

2週間ごとに1つのアイデアをテストすることに決めまして、嫁と一緒に、お得情報の紹介&レビューサイトを実証実験中です。全部で4つのアイデアをテストするうちのひとつ目。

↓ 詳しくは実験サイトをご覧下さいませ。

OUTLET by 阿部書店(仮称)http://outlet.abeshoten.jp/

プロトタイプをさっさと公開

2日間かけて、WordPress駆動のサイトをラフに形にしました。本来なら内輪用の検証スケッチのようなものを、公開してしまいましたので、そのおつもりでご覧下さいませ。載せている情報そのものは、私の愛用品・サイトなどが多いですので、そこそこ使えるものもあるかと。

恥ずかしいラフでも人の目に触れさせた方が、何か糸口がみつかったりするようです。デザイナー特有の悪い癖で、かっこいいものだけ表に出すのは、できるだけやめるようにしています。それから、アイデアを盗まれることも心配していません、形にする方が難しいですし、アイデアの全貌は頭の中にだけあります。

安くて良いものだけを集めたウェブサイト

デザイナーという職業のせいか、「高くて良いもの」は使わないあまのじゃくな生活です。好き勝手に自主プロジェクトばっかりやっているので、金もありませんし(笑)。「手頃な価格で満足度が高いもの」や、ネットでみつけたアウトレット品などを中心に、安くて良いものを掲載していくというサイトがあったら、自分も利用したいなぁ〜と思ったのが発端。

「品質には妥協せずに金は節約する」というテーマは、興味がある方は多いかと思いまして、最初のテストに選びました。ネット系のビジネスは、いくらアイデアが良くても誰の目にも留まらずに終了するケースが多いため、ユーザー様のモチベーションが高いトピックを選ぶことに。

アイデアは形にするまで、良いか悪いかわからない

うだうだ事業計画を立てていても名案は浮かばないものなので、手を動かしながら考えていくのが良いようです。私の個人的な経験では。最初のアイデアのまま最後まで進むプロジェクトというのは存在しません。アイデアはどんどん姿を変えて行く、という前提で仕事をするようになりました。

さて、アイデアというのは、頭の中や紙の上では美しくても、実際に形にしてみるまでは真の姿が見えてきません。2日間でここまでつくってみて、目に見える形になると、良い点以外に問題点も露呈します。

まず、セール情報みたいなものばかり並んでいると、怪しげなアフィリエイトサイトのようにも見えてしまうことに気づきました。人力で探していることをアピールすべく、書いた人の名前を顔写真も必要かもしれません。「お金をかけずに幸せな人生を送るためのサイト」のような方向性も、ありかもしれないなぁとも、相方と話しています。セール情報サイトだとどうしても安っぽくなるので、デザイン寄りに引っ張ってみたり、載せる情報の選択も重要ですね。

こういった次の一歩は、まず形にしてみないと出てきません。最終的には、まったく違うコンセプトのサイトに化ける可能性が高いです。

時間とお金をつかわないで、小さなテストを繰り返す

2週間ほどテストして何かしらの手応えが無ければ、時間を金を使いすぎる前に、さくっと放棄して、次の案に進む予定。

可能性があると見込んだら、2つ目のアイデアのテストをしながら、自分の持ちネタを少しづつ載せたり、情報収集の一部をクラウドソースして長期に渡って小さく続ける予定。この手の情報サイトは、読者数が増えるまでに数年かかりますので、気長な道楽です。

アイデアは無尽蔵に出てくるのですが、どれをやるかを選ぶことと、形にするのが難しい。エジソンやピカソのような人は、天才というだけでなくて、大量の作品をつくったところにうまくいった秘訣があるらしいです。量をやると、そのうちの一定量は確実にヒットするのだとか。平たく言うと、下手な鉄砲数打ちゃ当たるの論理です。

それを肝に銘じ、後先考えずに、今回の4実験も、短い時間でテストを繰り返すことにした次第。

「小さい賭け」を大量にリピートするという仕事のスタイルは、最近流行のようですね。変化が早い世の中だと、これは自然な流れかと。1年かけてじっくり商品開発している間に、世界はがらっと変わってしまうわけで。

アイデアは良くても、続けるには収益源が問題

第一弾サイトの収益源は、当初はネット広告とAmazonなどからの紹介料のみになると思います。少し経費くらいは出るレベルまで行くと良いなと思っていますが、そう簡単に行くわけは無く。広告系は、アクセス数が勝負なので、どうしても時間がかかりますし。

将来的には、小売店やメーカーがアウトレット品を直に出品できるとか、集めたネタを電子本にするとか、一歩踏み込んだ方法にしたいところです(妄想)。

【業務用な話】WordPressが可能にするラピッドプロトタイピング

普段の仕事で、PHPでプログラムを書いたり、WordPress駆動のサイトを作ることが多いので、このレベルのテスト版は外注しなくても自分でつくってしまえるのはありがたい役得です。

これを外注したら、数十万円+数週間というところでしょうか。

アイデア練りは嫁と先月からやっていましたが、実作業2日あればこの程度の形にはできるのも、ひとえにWordPressという存在のおかげ。阿部書店本体のテーマファイルをベースに、プログラムを大幅に書き換え、CSSでデザインを調整しました。

ご参考までに、使用しているプラグインは定番系の次のもの。Advanced Custom Field(価格やリンク先などのプラグイン)、Contact Form 7(情報の投稿受付フォーム)、Google Analyticator(アクセス解析)、Yet Another Related Posts Plugin(関連投稿の表示)、Tweet, Like, Google +1 and Share(SNSボタン)、Simple Tags(タグの管理)。

無料で『エアギフト』お試しください!…および今後のキャンペーン妄想

エアギフトのような変わったサービスは、一度試して頂かないことには、始まりません。

そこで、最初の1通を無料でお使い頂けるキャンペーンを、10月末まで行うことにしました!

480〜980円までの品物が完全無料ですので、ツイッターやfacebookでお友達もお誘い合わせの上、容赦無くご利用くださいませ。

ご利用方法は、こちらのページをご覧ください >

 

この種のサービスの立ち上げは、私自身、2回目になります。最初の1回目は、郵便で一輪の花が届くというもので、グッドデザイン賞を頂いたり、マスコミに何度も載りましたが、それでも軌道に乗るまで数年かかりました。

斬新なアイデアほど、最初は苦労するものの、地道に改良を続けて売り続ければ、少しずつ使ってくださる方が増えていくのは、すでに経験済み。今回は慌てず騒がず、がんばります。(ええ、前回は超ドタバタ劇を繰り広げました)

エアギフトは、人から人へひろがっていくサービスなので、とにかく沢山の方に使って頂くのが最優先かなと思っています。

最初に欲を出して儲けを優先すると、いつまでも滑走路を走り続けそうな予感・・・。1通あたりの価格が低いため、ネット広告は使う予定がないので、かわりにサンプルとしてゲンブツをどんどん出荷します。ネット広告だと、1人に買って頂くまでに千円とか二千円とかかります。ある程度単価が高い商品でないと成り立ちません。

余談ですがクレジットカードや保険の広告などは、広告1クリックの費用が3,000円もすることもあるのだそうです。アメリカの場合ですが。広告をクリックした100人に一人が契約するというような確立ですので、1人のお客さんを獲得するのに30万円??

・・・ということで、しばらくは、頻繁にキャンペーンをやっていく予定です。安めの商品なので、商品そのものをサンプルとして配れるというメリットも、逆にあります。

直近では、ハロウィーンが近いので季節イベント版の中身を検討中。

どういう用途で使ったらよいかわかりにくいですので、「ありがとう」で贈るなら無料!とか、がんばっている奥さん宛なんていうのも考えています。日本男児は奥さんにお礼を言うのが下手くそなようですので、助っ人を目指し。

ほかに『エアギフトMINI』という秘蔵っ子も控えています。常時無料の黄色の小型版で、即時発送ではなく1〜2週間分をまとめて発送するミニ版サービス。新しい商品を投入すると、ページを作ったり写真を撮ったりで、時間がかかるので、いまはメインの方にフォーカス中です。

メインのエアギフトもまだ認知度が低いので、その状態でMINIを出しても、混乱するだけかと思いまして、タイミングを見計らっています。iPadとiPad Miniのような関係ですね。iPadが無いとMiniのメリットがよく分からない。

キャンペーンの情報は、代表・阿部のツイッター(@yoshiabe)でつぶやいていきます。

あまり営業色を出し過ぎるのも、うっとうしいので、バランス感覚が難しいなぁと思う、秋の今宵です。

『エアギフト』ついに正式発売。阿部書店、念願の小売り業に踏み出しました

やっと、エアギフトを正式に販売開始しました!当然通ると思っていたグッドデザイン賞に落っこちてしまい、計画を立て直したりしていまして、大変お待たせしました。

エアギフト解説ページ >
エアギフト・ラインナップ >

9月中にとにかく販売開始するぞっ!というマイ目標をかかげていたので、デッドライン数時間前の滑り込みセーフです。さっそくページをご覧頂いた沢山の皆さま、興味をお持ち頂きありがとうございます。

人様から頂戴する仕事だと、締め切りは勝手に決まっていくものですが、自分の事業だと、それを決めるのは自分という、一見気楽そうですが、どんどん先送り地獄になるという恐ろしい現実が待っています。

こういうことをやっていると、締め切りって、他人に決めてもらった方がやりやすいなぁと思います。特に職人感覚のプロは、ブツの品質が高くなるまで人に見せたくないという本能があり。そういった感覚を卒業しないと、自前の事業の主としては一人前とは言えないかとしれません。

余談ですが、締め切りも国によって感覚が違うようでして、昔、ミラノのとある有名なプロダクトデザイン事務所を訪ねたところ、忙しいはずなのに、夕方5時には中庭でワインの栓が抜かれました。聞いたら「イタリアじゃ、締め切りに間に合わせるのではなくて、その段階でできているものを提出するのさ」とか。おそるし、イタリア人・・・。

さて、エアギフトに販売サイトはまだ荒削りですが、カードかお振り込みでのお支払いまで正常に動いていますので、さっそく贈りたい方がいらっしゃる方や、新しもの好きの方は、ぜひぜひご利用ください。

最初は渡辺店長と相談して決めた、鉄板9種のチョイスからスタートします。他に20種くらいはもう在庫を持っていまして、駄菓子シリーズや、冬場向けの温泉気分セットなんてのも控えています。

ひとまず「朝9時までのご注文は当日出荷」するスケジュールで始めます(土日祝日は出荷お休み。通常郵便のため)。日本の郵便局さんは優秀なので、少なくとも関東近県は出荷の翌日には届きます。

いまのところお支払い方法は少し限定的です。カード払いは「VISA・MASTER」、銀行振込は「住信SBIネット銀行」のみのお取り扱いとなります。少し利用して下さる方が増えてきたら、年内くらいをめどに、他のカード銘柄や銀行などを導入します。

公開早々の深夜、マンハッタンに滞在中のアート系友人から「勝手に感想」と題された、鋭い指摘満載のメールが到着しました。わかりにくいところがいろいろあるという指摘。こういう奇抜なサービスは、普通の物販と違って、品物を見せておしまいではないので、もう少し磨きが必要そうです。こういうアドバイスは極めてありがたい。なぜかというと、作っている当事者が目がバカになっているため。

パッケージのデザインやサービス内容は、現時点では十分なレベルだと思っていますが、こういった事業は、実際にお客さまに利用して頂きながら、フィードバックを頂いたりして、どんどん姿を変えて行くものです。

年内は、とにかく沢山の人に試して頂けるように、出血大赤字キャンペーンなど盛りだくさんで行きますので、ご期待ください。

エアギフトが届いてから開封するまで順を追って。プレゼン用の最終パケを仮撮影

昨日、やっと最終版のパッケージが届きました。グッドデザイン賞の審査会への搬入が来週なので、かなりギリギリです。仕上がりに問題が出たら、間に合わないという綱渡りでした。

その審査用にプレゼンパネルと資料をつくるのと、早めに最終版の試験販売を始めるため、超特急で仮撮影をしました。

この「エアギフト」という新サービスの詳しい内容は、いままでほとんど載せていませんでしたので、受け取ってから開封して楽しむまでを、今回撮った写真でざっとご紹介します。このタイプは、有料で販売を予定しているものです。中心価格帯は480〜980円(送料込み)で検討中。

 

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ネットストアでご注文頂き、数日でご希望の宛先に郵便で届きます。

ポストの中では、かなり目立つ異色な存在。ともすれば「ダイレクトメール?」と思う方もいるようです。嬉しいものは宅急便で届くと相場がきまっていますので、サプライズ性もあります。

記念切手を、季節などに応じてチョイスします。

 

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どこから届いたかと、ひっくりかえしてみると、贈り主様の名前と住所が。いったい何を贈ってきたのかと、興味津々になることうけあい。

食品衛生法の関係で、成分表示も記載あり。パッケージは、複雑な構造と形をやめて、宛名ラベル1つだけで封印されるように頭を使いました。指1本ですぐに開きます。さっそく開けてみましょう。

 

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プレゼントの包みを開けるように3枚の面をひろげると、中身は、外側とは対照的なロイヤルブルーの世界。

開けるときのワクワク感を演出するため、外と中は、デザイン上のコントラストをつけてあります。色の対比の他に、外側がきちっと整ったリボンで内側がリボンをほどいたようなダイナミックなデザインにしました。

大きな白いお皿をイメージした円形が2枚並んでいて、そこには、紅茶のティーバッグと、ヨーロッパの伝統的なビスケットが載っています。食べ物系が多いこともあり、メインディッシュ+サイドディッシュをイメージ。

写真の組み合わせは「洋風お茶の時間」(仮題)という商品タイプです。ほかにも、あめ玉・食べ物・飲み物・文具・美容系など、サイズや値段が異なる50品くらいを揃えて検討中。準備ができたものから販売ラインナップに加えて行く予定です。品数は1〜3つの組み合わせが中心で、温泉入浴剤+てぬぐいというのもあります。

中に入れる品物は、基本的にどれも、貰って終わりではなく、しばし飲んだり食べたり、遊んだり飾ったりして、贈り主さまの気遣いに触れる時間を長くとれる品物を意図的に選んでいます。

 

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試作版では低価格で提供するための作業効率を考え、定型メッセージのみを想定していましたが、自由に書けるメッセージカードを別にプリントして封入する仕様に変更。エアギフトのリボンのモチーフを踏襲しています。

なにしろ小さな「エア」ギフトですので、物量の充実感がありません。そこで、まるで大きな大きなプレゼントが届いたかのような気分を味わえるように、届いたパッケージを立てると、リボンのかかった箱風に飾れるおまけ要素付きです。ここは最初からこだわりました。はりぼての箱ですが、その中に、見えない気持ちがこめられているというコンセプトです。

「おつかれさま」と書いてあるメッセージカードを読みながら、お茶を飲み、甘いビスケットをかじる。自分なら、中途半端な社会儀礼の贈りものよりも、こんな贈り物が届いたら、じんわり嬉しいに違いないと思ってデザインしました。

デザイン業をやっていると、贈りものでは毎回悩み、時間をかけます。あのひとのことだから、きっと気の利いたものをくれるに違いないという、嬉しいやら悩ましいやらの高い期待値がありまして・・・。

そういった自分の生活の中で、センスが良く、安価で、しかも簡単にオーダーできるものがあったらいいなぁという思いを形にしたのが「エアギフト」だったりします。

エアギフトのパッケージデザイン、やっと完成

やっとのことで、エアギフトの最終デザインを仕上げ、昨夜、印刷会社に発注しました。

山吹色の方が、ハガキ/文庫本サイズの無料版。通称「エアギフト・ミニ」。中身は定型郵便の条件をクリアできる薄めで軽い品を1品、メッセージはシールで内側に貼る仕様です。

オレンジ色の方は、有料で提供する大きなエアギフトのパッケージです。中には1つか2つのちょっとした品物の他に、メッセージカードが入ります。

パッケージ外側のデザインは、試作版デザインと大きくは違いませんが、内側は大幅に変更。機能的にクリアしなければいけない要素が多い商品なので、実は見た目のデザインというよりも、物理的な条件をすべてクリアすることに苦労しました。そのあたりは後日、詳しく書きます。

それぞれ250部ずつ印刷と型抜き加工をして、およそ10万円の費用。納期はすこし急いでもらって1週間ほど。1枚あたり200円という計算になるので、最終的に想定している1枚20円というコストにはほど遠い初期ロットですが、裏側には複雑に絡んだ大人な事情が・・・。

Gマークをつけたパッケージを印刷できるのは、受賞が内定する9月中旬なので、そのあたりでもう一度印刷を行うことになります。そのため、最初は250部ずつのみの発注にしました。グッドデザイン賞の現品審査が、1週間半後の8月20日に搬入なので、それに間に合うギリギリのタイミングでデザインにゴーを出しました。審査には実際に販売するものに限りなく近いものを展示しないといけないためです。

_DSC5235デザイナーと事業主が同じだと、〆切があいまいで、延々とデザインをいじりまわしてしまうので、こういったデッドラインがあるのはある意味助かります。ただ、エアギフトは商品ではなく、サービスなので、デザインが決まった今、次は、販売するためのページや、細かいサービス内容を決めていく作業に入ります。むしろこっちの方が大変な道のりになろうかと。

来週、初回版の印刷が上がってきたら、試験的に受注を開始してサービス内容の調整を1ヶ月ほどやっていく予定です。どちらかというと、サービス内容の方が肝。中に入れる小さなギフトも、渡辺店長とネットと東京中を歩き回って物色中。現状で、50種類ほど確保できました。

 

「エアギフト」グッドデザイン賞の一次審査クリア

大人になると試験はめったに受けなくなるので、自信はあってもやはり緊張します。審査員のみなさんだって、いろんな考えをお持ちの人間ですからね、想定外もあり得ますから。

グッドデザイン賞の応募は2度目ですが、何度受けても、こういうのは慣れるものではありません。

ネットでの応募なので、結果発表も、公式ウェブサイトにログインしてチェックします。本日の13:00以降に掲載との告知があったので、歯医者の待合コーナーからネットに接続してチェック。そこに「一次通過」の四文字が表示されていれば、第一関門は突破です。

うちの結果は、上のスクリーンショットのとおり。まだ喜ぶのは早いのですが、お祝いのメッセージを寄せてくださったみなさま、ありがとうございます!

一次審査は写真と設問に答える文章による審査です。この時点では、あとで大幅にコンセプトとデザインが変わらない限りは、開発途中でもハリボテでも特に問題はありません。2014年3月までに発売する商品であれば応募できるので、うちのように開発途中で応募しているケースは多数あるものと想像します。

ぶっちゃけ、内側のデザインは決まっていないので、モニター募集でも使った外側の写真だけで応募しました。前回の応募も、デザインが固まっていない部分は写真に写さないという方法で出品しました。

問題はごまかしの効かない最終審査の方ですね。現物をあれこれチェックされますので。

モニターとして利用してくださった皆さんからのたくさんのご意見を参考に、大幅な改訂をやります。

来週の金曜日までに、ちょうど1週間で、デザインをほぼ確定し、最終審査用のプレゼンを提出しないといけないので、忙しい1週間になりそうです。パッケージの印刷発注は間に合わないので、プリンター出力のモックアップで撮影する予定です。

へんてこショップで新米店長、ドキドキはじめまして。

阿部書店ブログではおなじみ阿部家ダイニングテーブルが、このたびは、エアギフトver.1.0制作現場です。

無料モニター様募集開始から早や2週間。ご回答いただいたアンケートに日々、うろこを落としたり小躍りしたりしています。ありがとうございます!

チェックマークを入れシワをつけないよう慎重に梱包し切手を貼る…手順に沿ったコツコツ発送作業。このあたりは、本業で長年培ってきた持久力を活かしきり、作業効率は右肩上がりです。タヒチの波の音をBGMにしたりすると、自宅で仕事っていいなー、なんて分かったふうなセリフも口にしてみたり。

ただ、現時点では準備も準備な段階。なのに、ここまでの道のりでさえ、思いのほか歩き甲斐がありました。

きっかけは、「あめ玉ひとつを贈るってどう?」ほろ酔いのシャチョウによる一言。(ちなみに、このブログのタイトルもシャチョウに無理矢理つけられました。もっとクールな感じにしたかったのにぃ!)

印刷し実際に触りながらパッケージデザインの微調整→ビジネスとして成り立つのか?1円単位の原価計算→モニターさんの回答に感嘆の連続→ウェブサイトをテコ入れ→デザイン微調整…のループをひたすらグルグル。

デザイナーさんにウェブサイトはおまかせして、ステキなものを仕入れて販売しよーっと、ならこんなに手強くないのかもしれません。ですが、阿部書店の場合は、シャチョウがプロダクトデザイナー、小売り経験までもアリという、そうは問屋が卸さない・卸してくれない背景が…(もちろん、これがウチの強みなのですが)。こっちを伸ばすとこっちが引っ込んで…ないろんな目線が絡んできて、駆け出し店長のわたしは、もう、いっぱいいっぱいです。

でも、そんな行程から生まれようとしているエアギフトはとっても愛おしく、発送するときには「いってらっしゃい」とつぶやいてしまいます。お客様の郵便ポストに、オレンジ色のパッケージがちょこんと鎮座している姿を思いながら。