地球スケールの仕事人になった証「NDA」

「Non-disclosure Agreement」という、いかにも恐ろしい見出しの書かれた紙切れ。

国際的なビジネスの舞台においては、「書面で約束しなかったことは、約束していないものとみなす」のが常識である。口約束と信頼関係を重んじる日本人としては、とうてい理解しがたいヤボな習慣だ。

iPhoneアプリの開発者の募集をするにあたり、怪しげな連中も読んでいるに違いないウェブサイトには、詳しいデザインまで載せるわけにはいかない。そこで、最初は簡単な概要だけを載せ、興味を持って連絡をしてくれた相手の一部に、詳しい企画書を見せて精密な見積もりを出してもらう。

その際に必要になるのが、通称「NDA」と呼ばれる秘密保持契約書だ。

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世界中のiPhoneアプリ開発者たちに入札を打診 〜 原文

iPhoneアプリの海外アウトソース。「iPhone開発」と「海外アウトソース」の両方が初めてというプロジェクトで、最初の一歩を踏み出した。世界各地のプロ達に仕事を頼めるサービス「elance.com」を利用して、つくってくれる人/会社を募集するところからスタートである。

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突然ですが連載「iPhoneアプリで一攫千金、海外アウトソース」

私はよくいる、夢見がちなデザイン屋の一人である。

花を郵便で送るという例の無謀なサービスは、相棒とのコラボだったのが功を奏して形にはなったが、横たわる屍は数知れず。

その中のひとつは「iPhoneソフトで一攫千金」という、はやりの野望だ。自分でプログラムを書くために、高い本を5万円分、宅急便でアメリカから取り寄せて熱中して勉強したあげく、諦めた。

ウェブサイトのためのちょっとしたプログラムを書けるものだから、「プログラミングは天職」だと豪語していたのだが、パソコンやiPhone用の本物のソフトづくりは、まったく歯がたたなかった。

これには、我ながらびっくりした。

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赤道直下のバリ島・ウブドゥ町で見てしまった、日本式サービスの驚異

自分の前に誰がかぶっていたとも知れない、ほのかに汗臭いヘルメットをかぶり、ウブドゥの中心部を目指していた。10年ぶりに乗ったバイクで走る、穴ぼこだらけの真っ暗な夜道。しかもレンタルしたスクーターの2人乗りである。

「石鹸」を買いに行って死んじまったらネタとしては笑えるかもしれない・・・暑さではなく、その妄想にいやな汗をかきながら、地元のバイカー達を見習って一方通行を逆走。後ろに乗っている相棒が知り合いに強く勧められたという店に、言われるがままに向かった。

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ターセム+石岡瑛子、映画「落下の王国」関係者試写

スクリーンに次々と映し出される映像も素晴らしかったが、観客席の顔ぶれも感動的だった。

映画「ザ・セル」でコラボしたターセム監督と石岡瑛子氏の第2弾、「落下の王国 – The Fall -」。関係者向けジャパンプレミア兼試写会が、お盆の最中に新宿某所であった。

北京オリンピック開会式から帰国したばかりの石岡さんを始め、ターセム監督も登場してのトークショー付き。

世界24ヵ国以上・世界遺産13カ所でロケ、撮影4年、CG無しの全部実写という、壮大な濃密視覚エンタテイメント。石岡さんの鮮やかな衣装が、大自然に美しく栄える。

五輪の衣装デザインの話題のせいで、テレビ取材のクルーも数局。見ていると、テープ交換の手際の良さが各局違っていて、無音であっと言う間に交換するカメラマンがいるかと思うと、アシスタントも手伝っているのにガッチャンガッチャン音をさせて騒々しいのもいたり。差が出るものだなと思う。

関係者席の方はクリエイティブ業界のそうそうたる面々。坂田栄一郎さん・杉本博司さんの二大巨匠写真家が、両方とも白いスーツだったのが印象的。写真手前の青いTシャツの頭はピーター・バラカンさん。そんな、業界最高峰の中に座っていて、おれはまだまだだなぁと思うと同時に、やる気みなぎる。

壇上の通訳は戸田奈津子さんだったのだが、字幕翻訳と同じように正確さではなく味のあるトランスレーションが絶品。帰り際に、ロビーに戸田さんがいらっしゃったので、その感想を少しお話。

石岡さんと直に会うのは久しぶりだったが、いつ会っても変わらぬエネルギーで、彼女は歳をとらないのでは無いかとさえ思う。オリンピックが成功してさらに注目が集まっているため、次のプロジェクトも続々オファーが来ているとのこと。

ターセム監督とも少しだけ話したのだが、気鋭の映像作家というシャープなイメージが、言葉を交わした後には「良く話すおちゃめなお兄さん」に大変身。

会場を後にして階段を上り始めると、前をおかっぱ頭の菊地凛子さんが歩いていた。