ペナン島から日本の書店の販促物をデザイン。Discover 21刊「基本は誰も教えてくれない日本人のための世界のビジネスルール」

ベストセラーを連発する編集オネーさん・石塚理恵子さんと銀座で飲みました。年末年始に日本に戻っているときのこと。最近よくあるパターンですが、ツイッターで知り合いました。

そのときに、いつかお仕事しましょうよぉと話していたら、早速ご依頼いただきました。

お手伝いしたのは、青木恵子さん著「基本は誰も教えてくれない日本人のための世界のビジネスルール」の書店販促物です。ディスカヴァー21刊。さっそく重版がかかったそうで、よく売れているとの速報。

NYに住んでいた私でもビビるネタ満載ですので、そりゃ売れるでしょう。

デザインを作るにあたり、ゲラに眼を通しましたが、浮世離れしたニューヨークの天上界を知る人が書いているので、ぶっとんだ本かと思っていたのですが、非常に硬派な語り口と内容が好印象でした。NYのレストラン界で知る人ぞ知る、故ロッキー青木さんの奥様が著者です。

ところで、日本の書店で使われる看板やPOPを、はるかかなたのペナン島でデザインしているとは、ご来店の皆さん、夢にも思わないでしょうね。うっしっし。

本屋の店内は、たくさんの文字や写真・色が溢れかえっているので、凝ったデザインは逆に目に留まらないのだそうで、単体ではシンプルすぎるように見える仕上がりに。たくさんのバリエーションを作った中から選んだ案を、何度も東京とやりとりして磨いています。

冒頭の画像は、つくったもののひとつで、実際に書店でつかわれている看板です。

どのくらいの距離から見られるものなのかによって文字のサイズや要素の数を決めたり、隣に並べられる商品本体との兼ね合いも考える必要があります。ペナンで作ったデータを、東京の最高裁判所の裏手にあるディスカヴァーさんにメールで送り、Skypeで話しながらその場でプリントアウトしてサイズ感をチェックしてもらったりしていると、物質伝送でも発明されたような感覚。

頂いた表紙・帯データと、指示原稿に、わたしなりのキャッチコピーを加え、チェックリスト風にして、お客様につかのま足をとめて頂くデザインにしました。

私は、かっこいいだけのデザインをつくることに興味を失ってきているので、本屋というたくさんの物が溢れかえる場所で、目を引き、何かを伝えるデザインを作るというおもしろい案件でした。

・・・が、とにかく、スピードが速い!

ペナン島でのんびり生活していて、ネット経由で日本のメジャー出版社さんの仕事をすると、ペースの違いを実感します。刺激的なお仕事でした。

事業アイデアの実験パート2 『ABESCORE by 阿部書店』世界のすべてを格付けするサイト。これは化けるか?!

アイデアは形にしないと良いかどうかわからない!・・・をモットーに、アイデアを短期間でプロトタイプにしていく取り組みの、第二弾を公開しました。

第一弾の『OUTLET(仮称)』は、ちょっと商売気が出過ぎていることがわかったので要検討モードなのですが、作ったシステムが流用できそうだと気づき、書いたプログラムを流用して次の「ABESCORE」のプロトタイプを作りました。そのため製作時間は数日。1つ作ったものが、予期せず別のアイデアの実現につながるというのはよくあります。

現物はこちらをご覧ください→ ABESCORE by 阿部書店 >

例により、本来は内輪だけで見るべきものを公開しちゃいましたので、そのおつもりでご覧くださいませ。スコア評価はある程度精度が出ていますが、暫定的なものです。

なせスコアリング事業か?

もともと、いろんなものにアワードを授与するサイトをやれないものかと、数年前からあたためていました。アワードを出すには、ますスコアで評価するのが先かと思いまして、スコアリング・サイトからスタートしようと思ったわけです。アワードの話は過去のブログにて >

この世の中には難解なものが多く、人によって好みや価値感も様々な時代なので、何かを選ぶのは至難の業です。信頼性の高い客観的な情報を集めて、それらをもとに、われわれの独自の計算式でスコアを出すという試みです。

プロトタイプを見るとわかりますが、カメラのような身近なものから、政治や国のような評価が困難で、誰も実体が把握できていないものまでを扱いたいと思っています。完璧な評価方法を作るのは不可能なので、評価の精度だけでなく、創造的な切り口で点数をつけることも考えています。

知人と古典自己啓発本を評価してみる予定もあり、評価指標を検討中。ブログ記事や、形の無いものまで、可能性は無限にあると感じています。

わたしとしては、ありとあらゆるものをスコアリングしてみたい、そんな夢があります。

「日本人が移住しやすい国」で試算スコアリング

Google ChromeScreenSnapz007

試しに「日本人が移住しやすい国」というランキングを作ってみました。生活物価から政治の安定度まで、10の評価項目をABC評価。各項目に5点を配点し、全項目をプログラムで合計。そのままだと、40点満点なので、100点スケールに自動変換して総合点を表示しています。

サイトのプログラミングとデザインは私が担当、嫁がリサーチをやってくれました。ABC評価の元は、信頼できる生データなどをネットで探したものをベースにしてます。

近い将来、単なる合計計算ではなくて、特定の評価項目に重きをおいたフォーミュラにしたり、読者の投票も加点したりといった、複雑な計算を導入したいと思っています。

こうやって形にして、いまのシステムの問題が見えたので、サイトの設計をしなおし、プログラムを全面的に書き直す予定です。Wordpress、Advanced Custom Fieldプラグイン、PHPによるカスタムコーディングで作っています。

わたしはいまマレーシアに住んでいますが、こうやって具体的な数字にしてみると、各国を調べるきっかけるとしては「あり」だと思いました。数字化するという試みの感触は非常に良い。知人たちの反応も非常に良好。

悪名高きワイン評論家の100点評価

インスピレーション源のひとつは、ワイン評論家として有名なロバート・パーカー氏の「パーカーポイント」。ご存じの方も多いでしょう。

味の評価は特に難しいもののひとつですが、彼が100点満点のスケールであらゆるワインを評価し始め、世界中のワイナリーが彼の好みに合ったワインを作るまでになってしまったという、恐ろしい影響力のスコアリングシステムです。高得点を取ると、値段が高騰したり、瞬時に売り切れるとのこと。

私はワインの専門家ではないので、パーカー氏の舌の性能に関する議論はここではしませんが、わかりにくいものを数字で見えるようにしたこと、ワインの世界をひっくりかえしてしまう程の影響力も持つに至ったことは、すごいことだと思っています。モノゴトをひっくり返す人は避けて通れない、激しい非難も浴びているようですが・・・。詳しくは「The Emperor of Wine」という伝記書に書かれていますので、興味の有る方はぜひ。知的エンタテイメントして非常に面白い本です。

「アベスコア」というネーミング

名前はシンプルに「アベスコア」としました。自分の名前をつけるのもどうかと思ったのですが、こざかしいベンチャーのようなネーミングはキモイですし、やるならば自分が看板になることは間違い無いので、入れてしまいました。結婚して阿部コンビになったので、アベと言っても2人のことになりましたしね。夫婦揃ってリサーチが大好きなので、天職かもしれない。一緒にできる事業をやろうという希望もあり。

英語のスペルが「ABE」なので、「ABC」評価と字面が似ているのも、ユーモラスでしょ?

5万5千円で世界遺産を借りる!?ペナンの街を散歩中に見つけた伝統長屋物件

2週間に一度の頻度で、猛烈に食べに行きたい発作に見舞われる、行きつけのインド料理屋があります。この日は良い天気だったもので、我が家から歩いて1時間の道のりを、運動もかねてランチに出かけました。

ペナン島は世界遺産の伝統的な長屋の街並が有名ですが、島中がそういう雰囲気なわけではありません。一部のエリアだけが保存区域に指定されています。

上陸して家探しをしていた当初は、掘り出し物の長屋物件に住みたいな〜などという妄想もあったのですが、少し街歩きをしたら無理だとわかりました。良かれ悪かれ昔のままで、どこも激しくボロい。世界遺産エリア内の状態が良い物件は、カフェやらおしゃれホテルにするためにどんどん買われていて、ちょっとしたボロタウンハウスでも1億円の値段がつくとか。軽くバブッているようです。おそるべき世界遺産の魔力。

IMG_20141006_130053

さて、腹も鳴り始め、もう10分も歩けばインド料理にありつけるというところで、嫁が立ち止まりました。

「借り手募集、1,600リンギ」と英語で書かれた張り紙を発見したらしい。この長屋(タウンハウス)が5万5千円で貸しに出ているようです。

結婚して良かったことのひとつは、目玉が倍の4つになるということだと思います。本気で。

大手の観光ホテル「Cititel」のすぐ南側で、かなり古そうですが、1,600リンギはかなり安い。なにか致命的な問題でもある物件に違いない!・・・とちょっとチェックしてみることに。

IMG_20141006_130150

玄関から中が覗けたので、ちょっと拝見。

そんなに汚くはないですね。正面もきちんとペンキが塗り替えられているので、比較的手入れはしてある方です。京都の長屋のように、間口は狭いですが、奥行きはけっこう長い。2階も同じ面積がありますし、この広さならオフィス使いも格好いいのではなかろうかと。裏庭的なものもある雰囲気です。

両隣はかなり地元色が強いご家庭の様子。空き物件の前で、隣のおばちゃんが車を洗っていたり、前庭に洗濯物が干しまくってあったり。

こういう古い物件の問題は、台所やトイレが昔のままなことです。水回りは、床を掘り返したり大がかりな工事が必要になるので、比較的安く済む床や壁紙だけの改装で済ませるケースが多いため。これは、日本も含めて全世界共通です。ニューヨークやヨーロッパも築年数100年単位の古い建物が多いですが、配管だけはどうしても変えられないようで、詰まったり溢れたり、大惨事が頻発します。

IMG_20141006_130241

われわれが住処として借りるのも面白いかなと思いましたが、いまのコンドの契約が来年の6月までありますしね・・・。マレーシアでは、賃貸契約に礼金は無いのですが、途中で退去すると敷金を大家に全部持って行かれるという仕組みになっています。契約満了が標準。

シンガポールも、こういう中華スタイルの長屋の街並が残っていますが、あちらさんは、しっかり手入れがされていて、金持ちが住んでいる雰囲気。ペナンも10年もしたら、ああいう雰囲気になるのかもしれません。

観光地のまっただ中なので、カフェでもやろうかとか、airbnbで貸そうか・・・などなど妄想は膨らみますが。今回は妄想だけ楽しんで、あきらめました。

なにせ、腹が減ってますしね。

IMG_20141006_133926

観光客&地元民に人気のRestoran Kapitan。ペナンに着いた夜に偶然入って以来、わたしたちの定番メニューになっているのは、こちら。

しっとりした歯触りのタンドリチキンのセット、それから、バターチキンカレー。飲み物は、マンゴーラッシーと、スパイシーなアイス・マサラティー(チャイにガランマサラを入れたものですかね)。

リトルインディアに来ると、なにやら外国に来ているのだなぁという実感が、いつも沸いてきます。

事業アイデアの実験パート1『OUTLET by 阿部書店』(仮称)

2週間ごとに1つのアイデアをテストすることに決めまして、嫁と一緒に、お得情報の紹介&レビューサイトを実証実験中です。全部で4つのアイデアをテストするうちのひとつ目。

↓ 詳しくは実験サイトをご覧下さいませ。

OUTLET by 阿部書店(仮称)http://outlet.abeshoten.jp/

プロトタイプをさっさと公開

2日間かけて、WordPress駆動のサイトをラフに形にしました。本来なら内輪用の検証スケッチのようなものを、公開してしまいましたので、そのおつもりでご覧下さいませ。載せている情報そのものは、私の愛用品・サイトなどが多いですので、そこそこ使えるものもあるかと。

恥ずかしいラフでも人の目に触れさせた方が、何か糸口がみつかったりするようです。デザイナー特有の悪い癖で、かっこいいものだけ表に出すのは、できるだけやめるようにしています。それから、アイデアを盗まれることも心配していません、形にする方が難しいですし、アイデアの全貌は頭の中にだけあります。

安くて良いものだけを集めたウェブサイト

デザイナーという職業のせいか、「高くて良いもの」は使わないあまのじゃくな生活です。好き勝手に自主プロジェクトばっかりやっているので、金もありませんし(笑)。「手頃な価格で満足度が高いもの」や、ネットでみつけたアウトレット品などを中心に、安くて良いものを掲載していくというサイトがあったら、自分も利用したいなぁ〜と思ったのが発端。

「品質には妥協せずに金は節約する」というテーマは、興味がある方は多いかと思いまして、最初のテストに選びました。ネット系のビジネスは、いくらアイデアが良くても誰の目にも留まらずに終了するケースが多いため、ユーザー様のモチベーションが高いトピックを選ぶことに。

アイデアは形にするまで、良いか悪いかわからない

うだうだ事業計画を立てていても名案は浮かばないものなので、手を動かしながら考えていくのが良いようです。私の個人的な経験では。最初のアイデアのまま最後まで進むプロジェクトというのは存在しません。アイデアはどんどん姿を変えて行く、という前提で仕事をするようになりました。

さて、アイデアというのは、頭の中や紙の上では美しくても、実際に形にしてみるまでは真の姿が見えてきません。2日間でここまでつくってみて、目に見える形になると、良い点以外に問題点も露呈します。

まず、セール情報みたいなものばかり並んでいると、怪しげなアフィリエイトサイトのようにも見えてしまうことに気づきました。人力で探していることをアピールすべく、書いた人の名前を顔写真も必要かもしれません。「お金をかけずに幸せな人生を送るためのサイト」のような方向性も、ありかもしれないなぁとも、相方と話しています。セール情報サイトだとどうしても安っぽくなるので、デザイン寄りに引っ張ってみたり、載せる情報の選択も重要ですね。

こういった次の一歩は、まず形にしてみないと出てきません。最終的には、まったく違うコンセプトのサイトに化ける可能性が高いです。

時間とお金をつかわないで、小さなテストを繰り返す

2週間ほどテストして何かしらの手応えが無ければ、時間を金を使いすぎる前に、さくっと放棄して、次の案に進む予定。

可能性があると見込んだら、2つ目のアイデアのテストをしながら、自分の持ちネタを少しづつ載せたり、情報収集の一部をクラウドソースして長期に渡って小さく続ける予定。この手の情報サイトは、読者数が増えるまでに数年かかりますので、気長な道楽です。

アイデアは無尽蔵に出てくるのですが、どれをやるかを選ぶことと、形にするのが難しい。エジソンやピカソのような人は、天才というだけでなくて、大量の作品をつくったところにうまくいった秘訣があるらしいです。量をやると、そのうちの一定量は確実にヒットするのだとか。平たく言うと、下手な鉄砲数打ちゃ当たるの論理です。

それを肝に銘じ、後先考えずに、今回の4実験も、短い時間でテストを繰り返すことにした次第。

「小さい賭け」を大量にリピートするという仕事のスタイルは、最近流行のようですね。変化が早い世の中だと、これは自然な流れかと。1年かけてじっくり商品開発している間に、世界はがらっと変わってしまうわけで。

アイデアは良くても、続けるには収益源が問題

第一弾サイトの収益源は、当初はネット広告とAmazonなどからの紹介料のみになると思います。少し経費くらいは出るレベルまで行くと良いなと思っていますが、そう簡単に行くわけは無く。広告系は、アクセス数が勝負なので、どうしても時間がかかりますし。

将来的には、小売店やメーカーがアウトレット品を直に出品できるとか、集めたネタを電子本にするとか、一歩踏み込んだ方法にしたいところです(妄想)。

【業務用な話】WordPressが可能にするラピッドプロトタイピング

普段の仕事で、PHPでプログラムを書いたり、WordPress駆動のサイトを作ることが多いので、このレベルのテスト版は外注しなくても自分でつくってしまえるのはありがたい役得です。

これを外注したら、数十万円+数週間というところでしょうか。

アイデア練りは嫁と先月からやっていましたが、実作業2日あればこの程度の形にはできるのも、ひとえにWordPressという存在のおかげ。阿部書店本体のテーマファイルをベースに、プログラムを大幅に書き換え、CSSでデザインを調整しました。

ご参考までに、使用しているプラグインは定番系の次のもの。Advanced Custom Field(価格やリンク先などのプラグイン)、Contact Form 7(情報の投稿受付フォーム)、Google Analyticator(アクセス解析)、Yet Another Related Posts Plugin(関連投稿の表示)、Tweet, Like, Google +1 and Share(SNSボタン)、Simple Tags(タグの管理)。

仕事を抱えて、夢の国『バリ島ランド』。ランチは涙のカップ麺

仕事を丸ごとカバンに突っ込んで、夫婦でバリ島に滞在中です。

マレーシア滞在が3ヶ月に迫ってきたので、短期滞在ビザの更新で、一度国外に出る必要がありまして。まだロングステイビザは持っていないもので。

ゴージャスに遊んでいられるほど金も時間も余裕がないので、朝夕にビーチの散歩などしつつ、おとなしくいつもどおり仕事してます。日本とサンフランシスコのクライアント様の締めきりに追われつつ、嫁と阿部書店(株)の新事業ネタ出し合宿。

IMG_20140918_173052

IMG_20140918_111008

バリ島へ飛んできた理由は、主に飛行機と滞在費の安さ。それから、リラックスして仕事ができること。バンコクも候補の一つでしたが、猥雑だし、最近あまり良い経験が無いので却下。そろそろ40歳なので、落ち着いた場所が好みになってきているのかもしれません。

飛行機が2回事故ったせいで、マレーシア航空が激安でした。ペナン島から、クアラルンプール経由でバリ島への飛行機が往復2.6万円ぽっきり。LCCのエアアジアよりも安い。そのせいかほぼ満席でした。

IMG_20140918_120941

最近はバリ島にもこぎれいなツーリストホテルが沢山建っていて、2人で一泊3,000円以下、朝食ビュッフェ付きなど。10年前は、高級リゾートか激安ゲストハウスの2択状態だったもんですが。(写真:滞在しているレギャンビーチのamarisホテル)

南国のペナン島に住んでいるから、冬の日本から来るのに比べると、感動は薄れます。贅沢な話ですが、まあ、そりゃそうか。

物価の安さに関しては、少し想定外の事態。ここ数年で、観光客が押し寄せているようで、レストランなどの物価がかなり上がっている様子。変わらないのは、足マッサージ1時間500円と、タクシー代。予算オーバーなので、お恥ずかしながら、昼飯はコンビニでカップ麺。

ところで、入国審査の行列で1時間半待たされ、冒頭から疲労困憊。驚きました。しかも9割が西洋の方々。飛行機が同時にたくさん到着してパンクしたのか?それともいつもこんなふうか?

IMG_20140917_155420

そして、入国には観光ビザ代、35ドル(約3,800円)。

入場料と大行列。どこかでこういうの、やったなぁと思ったら、あれだ、あれ。

『バリ島ランド』と命名します。

温泉旅行の写真が仕事で採用。プロの基本「量と質」の関係とは?

写真はプライベートだけで、年間5,000枚くらい撮るのですが、たま〜に、それをデザインの仕事で使うことになることがあります。

熱海の海沿いに建つ、日帰り温泉から撮ったこの1枚も、そんなうちの1つ。

知り合いの小さな会社のウェブサイトを作る仕事をやってまして、会社のイメージが「海」。載せる写真の候補として、おまけで私の撮った写真も送ったら、私のやつが採用になりました。こういうことがあると、じんわり嬉しいものです。

オーナーさんがヨットに乗る人で、海は海でも、「黒潮」の海の写真がイメージに近かったとのこと。色が違うのだとか。

わたしは1回カメラを構えると、最低数回シャッターを切ります。構図を少し変えたり、自分が立つ位置を変えたりなどなど、あまり深く考えずにとにかく少しずつ違うだけのカットを撮る。特に人を撮るときは、表情が刻一刻と変化していますので、さらに多めに。

Atami-2014-09-06-12.25.19

このときは9枚撮影。いらないものが映り込まないように苦労したことがわかります。このうち1枚を色補正しました。

デザインの巨匠チャールス・イームスが語った「わたしのデザインの『秘密』」を思い出します。まず100のアイデアを出す。その中からベスト10を選び、それぞれ100個のバリエーションをつくる。納得がいくまでひたすら繰り返せば、勝手に良いものが完成するということ。つまり、秘訣なんかなくて、量の努力に過ぎない、というニュアンスの話。

プロはたくさん作り出した中から、ベストな1つだけを選んで世に出しています。一般の方は、完成形しか眼にしないので、アート系の仕事をする人は1発で傑作を作り出していると思っているようですが、裏側は結構地道な作業。

写真ひとつにしても、日常的にたくさん撮っているから、失敗もしまくって、打率が上がっていきます。これもまた努力あるのみ。

プロは量が勝負。量がともわない品質は存在しない!

・・・と書いといてなんですが、わたしも、まだまだ量が足りませぬ。精進しまふ。

面接で出かけたオランダで、昔手伝ったオペラの再演を偶然知る。石岡瑛子さんと作った衣装デザイン

この冬に、アムステルダムへ面接で出かけました。

オランダのビジネスマンのおっさん達に混じって、ホテルのビュッフェ朝食であれこれ珍しいハムやらソーセージやらを食し、部屋に戻る途中、ロビーで国立オペラ座の公演カタログを発見。なにか面白い演目でもやっていたら観に行こうかと思い、一部拾ってみました。

部屋に戻って、ページをめくっていたら、見慣れた写真が出てきて驚いた。

IMG_5288

なんと、学生時代に手伝ったオペラが、2月から再演すると書いてある。

石岡瑛子さんの助手をやっていたときに、衣装の一部のデザインをつくらせてもらった、ワーグナーの大作オペラ「ニーベルングの指輪」。あれを手伝ったのは、もう20年近く前のことです。

4部構成、つまりフルレンクスのオペラ×4本で、舞台美術も超前衛的だったし、石岡さんに衣装デザインを依頼するくらいだから大金がかかった公演だと聞いていました。あれ以来、ずっと衣装と舞台装置を保管していたということでしょうか?さすが国立劇場。郊外に大倉庫でもあるに違いない。何度も再演できるすごい作品をつくれば、大金をかける価値もあるという判断だったのかもしれません。

helmet06 (1)

ドクロの形をしたヘルメット。石岡さんのディレクションで、デザインとドローイングは私。鉛筆と木炭。消しゴムも画材のように使って、要所ハイライト部分を白く。当時工業デザインを勉強していたので、「ヘルメットのデザインやってみる?」と、頼まれました。上の青い舞台写真でかぶっているやつ。

monster-sketch01 (1)

こちらは巨大な怪獣のデザイン画。おなじくわたしの絵。ペンとマーカーと色鉛筆、修正用ホワイトでハイライト付け。ええ、オペラの舞台装置です、SFホラー映画ではありません。工業デザインチックな描き方ですね…。

_DSC6528

今年の旅で泊まったホテルが、ちょうど運河をはさんでオペラ座(写真)の反対側でした。劇場は当時の姿のまま・・・だと思うのですが、なにせ若い頃だったので興奮していて記憶が定かでない。

今回は用事を済ませるだけの短いオランダ滞在だったので、再演を観ることはできませんでしたが、石岡さんに招待されて、初演を観にニューヨークから飛んできた数日を思い出しました。

ぶっとんだ学生時代でした。

夜のシンガポール発、マレーシア・ペナン島に上陸。家探し編序章

数日滞在していたシンガポールのチャンギ空港から、夜19:40発のJetStar便に乗り、ペナン島へ飛んだ。

およそ1時間半の短い空の旅。シンガポールは、マレーシアの先端にくっついている小国なので、国内線のような感覚だ。時差も無い。

IMG_20140623_163651

東南アジアは、LCC(格安エアライン)の巨人たちが肩を並べる地球の一角なので、いろいろな安いチケットの選択肢があるものの、AirAsiaのシンガポール発ペナン行きよりも多少安かったので、JetStarで飛ぶことにした。

ジェットスターはオーストラリアのカンタス航空系で、格安エアラインの割にデザインのセンスがそこそこ良く、自分好み。エアアジアの方は、内装やら制服やらの色合いとデザインが、言うなれば錦糸町のチープなキャバクラといった風情。微妙な差ではあるものの、選べるならJetStarの方がいいなあ・・・と、このフライトで想いを新たにす。

IMG_20140623_191700

IMG_20140623_191654

ペナン国際空港から、空港公式の定額制タクシーでホテルに向かった。空港はペナン島の南端にあり、中心部の北側へは高速道路を走って30分ほどの移動。

窓の外を流れていく夜の景色は、どこの国でも共通の、空港からの高速道路の眺めで、地元の人が住んでいるであろう質素な風貌のマンションや、シャッターの閉まった店、暗いオフィスビル、そして大きな看板が、街灯とともに流れていく。

途中、ハードディスクで有名なWestern Digitalの工場が眼に入った。あとで聞いたところによれば、ペナン州は税制優遇で海外企業をたくさん誘致していて、日本をはじめとする世界各地の工場があるそうだ。昔ほどではないと聞くが、いまでも日本の駐在員がたくさん住んでおられるのはこれが理由。

道中、タクシーの窓から左右の光景を、嫁としげしげ観察。大きなスーパーやら、コンドが見える度に、このへんはどうかね?と話は絶えない。空港からの道すがらは、地元色が強く、外人向けのリゾート感は無い。致命的なのは、本土との橋もかかるこのあたりの島の東側は、どう見ても車での生活が前提な雰囲気であることだった。私たちは車を買う気は無いので、歩いて生活できる場所が条件なのだ。

明日から始める住む家探しでは、島の北側を中心に歩いてみるのが良さそう。東側が、事前に調べて、家賃が安かったのは、地元の人向けのエリアだったからのようだ。

IMG_20140624_201310 (1)

ずっと続いたロマンティックではない郊外の景色が終わり、急に、歴史感ある低層の建物ばかりが建つエリアにタクシーがさしかかった。2008年にユネスコ世界文化遺産に指定されてた歴史地区だ。

夜で人影がほとんどなく、開いている店はほとんど無い。もっと観光地化している賑やかな場所かと想像していたが、思ったより地に足のついた静かな街のようだ。頭を「不便」という二文字が横切る。

アジア圏に強いAgoda.comで予約してあったツーリストクラスの「Armenian Street Heritage Hotel」 は、世界遺産エリアに建つ比較的新しいホテル。ペナン島の地理に詳しくなかったので、このあたりが中心部かと思って選んだものの、翌日には、世界遺産エリアは古い下町で、地元の人が住む一般的エリアでは無いことが判明する。

なぜにホテルの名前に、東ヨーロッパ・アルメニア共和国の言葉がついているのかと不思議に思ったが、アルメニア人の歴史的人物にちなんだ名前の通りが近いからだという。

この島は、ある種、香港のような歴史をもつところで、何百年もの間、インド・中国・マレー・日本・ヨーロッパなど、様々な国の商人が住む貿易拠点だった。その多様性は、現代にも引き継がれていて、マレーシアの中でも特に、いろんな民族が住んでいる場所。この島に外人が住みやすい背景には、そういう長い歴史があり、いまでは日本や西洋の国々から移住する人が増えているから、自分が外人だという意識はさらに薄れる。ニューヨークに4年住んだことがある自分には、この溶け込める感は、ことのほか嬉しい。

IMG_20140623_230719 (1)チャンギ空港で軽い夕食を食べただけなので、さすがに腹が減った。午前中にホテルをチェックアウトしてから、炎天下のシンガポール植物園を歩きまわって汗だくだったが、街があまりにも静かなのでシャワーも浴びず、レストラン危機を感じて二人してホテルを出た。

まだ夜10時だというのに人影がほとんど無く、静まりかえっている。世界遺産に指定された絡みで、営業時間の規制でもあるのだろうか?遅くまでやっていそうなカフェを調べてから出てきたものの、マレーシアのSIMチップをまだ買っていないのでスマホの地図が使えない。南に向かっていたつもりが、15分ほど歩いてから、真逆に歩いていたことに気付く。方向感覚が抜群だという自負があると、こういうときに深みにはまる。

たどり着いた場所は、インド人街だった。シンガポールでも宿が安かったリトルインディアに泊まったので、インドに縁があるようだ。夜おそくはインド人以外働いてないのか、このあたりは?

大きなオープンレストランなのでファンによる空冷。夜なのでさほど暑くはない。あっという間に出てきた飯は、期待以上に美味かった。妥協して入った店だったが、後日、TripAdvisorの人気店「Restoran Kapitan」だと知る。タンドリチキンのプレートセットと、バターチキンカレー、ナン、ラッシー2種。これで約700円。安い。タンドリチキンは、自分が日本で食べていたパサついたものとは雲泥の差で、もちもちしっとりした食感。いつも私よりも腹が減るのが早い嫁は、幸せそうにラッシーをチューチュー吸っている。

_DSC7421

翌朝。モスクのスピーカーから大音量で聞こえてくる、祈りの声で眼がさめた。

マレーシアは日が昇る時間が遅くて、時間の感覚が狂う。窓を開けると外はまだ暗い。再びベッドに転がり込んで天井を見上げると、謎の矢印が眼に入った。お祈りのための、メッカの方角だろうか。そう、この国は、われわれ日本人にはなじみの無い、イスラム教の国なのだ。

今日からの家探しの条件リストに、「モスクが近くにないこと」を書き足した。