ニューヨークの美大時代に、石岡瑛子さんや、デザイン雑誌の仕事を紹介してくださった海老原嘉子さんが、四ツ谷の事務所においでくださいました。
15年以上ぶりの再会でございます。
ニューヨークを訪れる、日本のデザイン関係者の多くがお世話になっている神のようなお方で、かの地の美術館のパーマネントコレクションになっているデザイン作品の多くは、彼女の紹介を通して収蔵されています。MoMA(ニューヨーク近代美術館)にある、大量の日本のデザイン雑誌も、もともと彼女のコレクションだったもの。学生時代によく見せてもらっていたあの巨大本棚をまるごと寄贈したとのことです。
わたしが美大の授業の後に彼女のSOHOのギャラリーに寄って、仕事をお手伝いしたりしたのですが、その頃の会話とまったく同じエネルギー。20年以上前とまったくキャラも見た目も変わっていない。
「阿部くんも当時のままね」と海老原さん。そろそろ80歳なのに、すごいエネルギーなんです。私が負けそうな勢いのバリバリ現役仕事人です。
実はメールでは「阿部さん」だったんですが、うちの玄関を開けた直後から昔のまんまの会話で、あっという間に当時の「阿部くん」に名称戻りました。その方がしっくりきます。
うちに寄る前は、同じく四ツ谷にある故・柳宗理さんの事務所で、打ち合わせだったようで、巨匠・柳さんの話も出たのですが、なんと海老原さん、若い頃は、超イケメンの柳さんのかっこいいスポーツカーでよくデートしていたらしいです。
文字通り、歩くデザインの歴史。