プノンペンからの帰路、乗り継ぎで早朝のバンコクの空港にて。搭乗まで時間があり、免税店で腕時計を見物した。
もっとも、高級品に全く興味はなく、腕時計を最後に身につけたのがいつだったか覚えていない。みなさんと同じように、時間はスマホとパソコンで知れば良いという方針。
そんな男が、なぜまた急に、腕時計に興味を示したか。
アナログ時計の方が、時間を直感的に認識しやすいという記事を読んだからです。時間の感覚が甘い人は特に有効とのこと。
これで締切間際のドタバタ人生とおさらばか!・・・などと淡い期待を抱き、swatchの中で下から2番目に安いシンプルなブラック時計を、空港で買いました。我が国の消費税分くらいは安いかった計算。
自分の場合、デジタル時計を見ると、一度アナログ時計に脳内変換してイメージするので、1段階スキップできるかもしれない。一日に何度も繰り返すことだから、積み上げると仕事に影響がでる可能性もあるでしょう。
皮バンドはすぐに傷むし、金属バンドはノートパソコンが傷つくので、プラスチックバンドの時計を探していました。CASIOの1,200円時計も悪くなかったのですが、職業的にやばいかもと判断。空港を歩いていて、swatchの看板が目に入り、おお、あれならセーフか、と思ったわけです。
ゲートそばのカフェで、いそいそと透明プラスチックのハードケースを開け、左腕に装着してみる。
スマホのデジタル時計が、6:56AM。東京便の出発まであと30分ほど。デジタルだと直感的には「まだ6時台」ですが、アナログ時計だと「ほとんど7時」という感じがした。つまり、デジタルとアナログ時計を比べると、最大で1時間の感覚差が出ているかもしれない。この「まだ6時台」という感覚は、商品の値段を980円のように桁数を減らす商習慣と似ている感覚と近いでしょうか。
この時計をつけたら仕事モードON!という条件反射を狙って、ここ数週間、使っています。
swatchのシンプル時計は、おもちゃのようなつくり。中でも驚いたのは、チクタク音がかなり大きく、静かな部屋で打ち合わせしていると相手が気づくレベル。
この気になる音が、締切という名の時限爆弾を身にまとっているかのようで、非常に仕事がはかどっています。
気がする。